水曜日, 6月 25, 2008

コロラドの山中で、水浸しになる

今日もコロラドの山奥、デュランゴという町にて撮影をしております。昨日訪れた場所が気になって今日は、1番列車から3番列車まで3本を同じ橋で狙ってみました。鉄橋を渡る時に石炭を焚くボイラーの底に溜まっている水垢や泥を吐き出すために、水蒸気の圧力で一挙に吐き出しお掃除をすることを「ブロウダウン」と言います。18気圧から20気圧以上の水蒸気の圧力で放出するので通常の場所では危険なので、鉄橋の上で思いきり吐き出すのがお約束となっており、そのシーンが鉄橋を渡る蒸気機関車を魅力的なものにしてくれます。というわけで、本日は3連発のブロウダウン・シーンをどうぞ...
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最後の2枚は、ブロウダウンの直撃を受け、全身ずぶ濡れになってしまったところです。水蒸気の勢いはまるで、自動車の洗車マシンの中に体を入れたような感覚で(本当にしたんかい、と突っ込まれそうですが)、最初の感覚はマズイひょっとしたら全身火傷で病院送りかと思ったのだけれど、実は冷水シャワーのごとく冷たくて気持ちが良いくらいでしたが、全身を飛んでもない水圧で噴霧されたので思わずカメラを守ろうとして体を後ろ向きにしたら、何と眼の前に50cmくらいのサイズの虹が見えました。まるで、ティンカーベルでも出てきそうなミニチュア虹の世界に「あれぇ、今の直撃で既に死んでしまって映画のゴーストみたいに、有体離脱してしまったのか?」とでも思うような瞬間を体感してしまいました。カメラも体も水浸しのまま、気を取り直してシャッターを押したのが6枚目の写真。残念ながら、ブロウダウンの写真の中に虹を見つけることはできませんでした。その後、またMatt君の運転するスピーダーに乗って、途中で折り返しのできる地点(Tacoma、といってもシアトルの隣のタコマではありません。)まで行って、水力発電所の建物の前で、写真を撮ったら...水力発電の排出抗から立ち上がる水煙の中に、また虹を発見せり、以下の最初の写真(右下1/3の所に)薄っすらと虹が見えますか? 今日は、昼にてひとまずMatt君とはお別れして、午後は自力で(自動車と徒歩にて)撮影許可を貰った場所に侵入、午後の撮影を続けたのでありました。Matt君7月末にはバンコクへ戻って小学6年生の英語の先生をするそうですが、東京に立ち寄ったことがないとのことで、次回は東京で会いましょうとの話で別れたのでした。
SF4_3195SF4_3213 (2) D3A_6365
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午後の撮影、3枚ほどアップします。50mほどの崖をよじ登るのに、迂回ルートで這い上がったのですが...体力の衰えを感じるだけではなく、この際、体重を減らさないとマズイと、つくづく反省をしたのでした。
 
では、ふるかわでした

火曜日, 6月 24, 2008

スピーダーに乗って、列車を追っかけ撮影..

スピーダーと聞いて、スターウォーズの森の中を駆け抜けるバイク(エンパイア・スピーダー)を連想した人は残念ですが、鉄道に関連した”スピーダー”という乗り物はトロッコにエンジンを搭載して2人もしくは4人が乗車可能な小型の車輌のことです。2年前にC&TSRでもスピーダーに乗って普段なら自動車や徒歩で立ち入れない場所まで移動して走ってくる蒸気機関車を撮影するという経験をしました。今年の2月にデュランゴ&シルバートン鉄道のオーナーであるアレンさん(Allen C. Harper氏)から「今後の撮影にあらゆる協力をするから」というお話を頂いていたのですが、私としては”鉄道の安全運航の妨げにならない範囲で、鉄道の敷地内に入る許可証を頂ければ”という具D3A_6287 (2) 合に考えていたのですが、今回はスピーダーに乗って蒸気機関車の引く観光列車の前を先行して風光明媚で車でも徒歩でも立ち入るのが難しい場所で列車を撮影させてくれるとのこと....撮影現場まで、まず先廻りしてボブと私は降りた後スピーダーはさらに待避線のある場所まで移動、走ってくる列車を撮影した後にスピーダーは列車を待避線で追い抜いてもらい、スピーダーは本線を逆行して私たちをピックアップしてさらに次の撮影地まで移動...後続の2番もしくは3番列車が追い付く前にまた次の撮影地に移動する...というD3A_6303 (2)日本の鉄道ならあり得ない(後続列車が来るのに本線をスピーダーが逆走するのですから)離れ業に思わず”インディ・ジョーンズのトロッコシーンを思い出してしまうのでした。映画の一シーンやアミューズメントパークのアトラクションならほんの数分のスリル満点な時間ですが、今回は朝の8時から夕方7時半までガタンゴトンとお尻が痛くなるような振動とシートベルトも無い簡易座席で、エンジンが車体の中央に偉そうに鎮座しているので座席は少し外にはみ出しているので、うっかり眠り込んだら外に放り出されてしまうような経験をしました。SF4_3115 それでも、列車が迫ってきて衝突しそうになったら、どのよに回避するかと言えば、1.トランシーバーを使ってディスパッチャ(運行管理責任者)と連絡を取り合っているので、どの場所にどの列車がいるかは掌握されている..はず、2. 目と音で確認して、緊急停止する。 3. 正面衝突するか、追突する前にスピーダーを皆で持ち上げて線路脇に置く..という技を使うのであります。幸いにして、3. を実行する機会は無かったですが3列車が往復する間にスピーダーに飛び乗って全線を走破した結果200kmの走行距離を達成したのでありました。 スピーダーを運転してくれたのはMatt Harper氏で、なんとこの鉄道のオーナーのAllenさんの息子さんなのでした。タイのバンコクにてアメリカン・スクールで英語の先生をしているのだそうですが、夏休みの間はアメリカに戻ってきてこの鉄道でスタッフとして働いているのだそうです。「先生って授業の準備が大変だよね」「東京へは立ち寄ったりしないの」なんて話をしながら「ハーパーファミリーの兄弟は男3人女3人で他のお兄さんは、それぞれ他の鉄道で働いている」のだとか...というわけは、「Allenさんはこのデュランゴ&シルバートン鉄道の跡取り息子で将来のために全ての仕事をスタッフとして習得しているのかな?」なんて、会話をしていたのでした。(昼ごはんの時にそんな話をしました。スピーダーの走行中は工事現場のような騒音で何も聞こえないので会話をするときは一時停止してエンジンを切って、また走る...というノリです。)そして、本日の撮影結果は以下の通り;
D3A_6220 (2) D3A_6222 (2)
D3A_6236 (2)
D3A_6242b
D3A_6265 (2) D3A_6296 (2)
真ん中の大きな写真は、どうしても撮ってみたかった場所からの撮影で「長年の夢がついに適った」という気持ちでありました。
 
では、ふるかわでした