日曜日, 4月 22, 2007

NAB2007にて、その3(SONY前半)


SONYのNAB2007ブース、ストレージ商品の展示にてThe Sharper Imageのマッサージ・チェアを展示しているようでは、松下電器製の300万台の実績と「モミモミ・オンライン」に10年以上先行されているので勝ち目はないとして...なんて書くと...ブーステーマの「ストレスから解放される:Say goodbye to stress.」どころか....SONY内部で展示企画をした人に雷が落ちそうなので...名誉挽回のためにもSONYブース全体の紹介をすることにいたしましょう。


今回のNAB2007 SONYブース(SONYのNAB2007特設ホームページ)においては世界で初めて発表された製品の数々と、それを支える技術に眼を見張るものが沢山ありました。それらは放送機器の新基軸を提言するに留まらず、映画産業、家電製品、先端的な研究機構にも大きな影響を与えることになるでしょう。そのいくつかの技術動向や魅力的な新製品の数々を私なりの視点から網羅してエントリさせて頂きます。今週NAB2007への出張から帰国して出張レポートを書かなければならない貴方のために、そして今回はラスベガスに行けないでBouchonへの再訪を逃した方へのためにも以下...宜しくお付き合いください。


NAB2007ブースのバーチャルツアーはこちらに


途中でヲタク的な機器の詳細な話に興味が無いという方は、全部読み飛ばして最後の章に出てくる「SONYに救世主あらわる:モノ造りのジレンマからSONYは脱却して、サービス産業の覇者になるか?」という部分をご笑覧ください。2週間ほど前に、ダヴィンチの「受胎告知」の現物を上野で見たのだけど私には不謹慎にも何ひとつ得るものが無かったのだけど....今回のNAB2007における、ある展示には....新生SONYの受胎告知を見た気がします。もし、このSONY内部から産まれた小さな萌芽をSONY全体が企業として取り上げることができるなら、SONYという企業はさらに50年いや100年リーディング・カンパニーとして生き残るだけではなく、時代の先導者となり続けるでしょう。私にとってNAB2007を訪問した最大の成果は、これだったと確信しております。(この章は明日以降アップします。あしからず)では、最初にヲタク的な話に付き合って頂きましょう。詳細は、こちらに...


今年のSONYブースは、総合テーマは「Real Systems. Right Now. HD for All」というテーマでラスベガス・コンベンションのサウス・ホール2階に大きくスペースを取って展示されていました。ブースは5つのゾーンNetworked HD, Affordable HD, Beyond HD, Live HD そしてOther Areasにわけられそれぞれ18の個別ブロックにより展示が構成されていました。


01: Recording Mediaブロックのテーマは前述のように「Say goodbye to stress」ですが、SONYの生まれ育ちがトランジスタ・ラジオとテープレコーダーであり、その後のビデオテープ、カセット方式のウォークマン、CD/MD/DVDから各種の光、光磁気ディスクなど多くの記録メディアを手掛けてきました。今回のブースでは、HDV(Mini-DV, DVCAMにも使われる)DigiMasterシリーズ...私もHDV63愛用しています。他のプロ用テープ製品では、従来からのデジベーと呼ばれるDIGITAL BETACAMAそしてHDCAM&HDCAM SR、DISC製品ではBlu-rayとXDCAM(ブルーレーザーを使用したシングルレイヤで23.3Gbダブルレイヤで50Gbのディスク技術、SONYのHDCAMにおける記録媒体の次世代標準と位置付られる方式があります。このグループは、記録媒体をモノとして提供するだけではなく、"Sony Media, Service & Support"と標榜するプロ集団でありまして、数々のエミー賞を受賞するだけでなく、この配布資料の3ページにあるような、Media Recovery Serviceをも提供して「ストレス・フリーの環境」を実現しているそうです。(ナースのコスプレでマッサージチエアの展示なんて前述の本エントリ茶化してしまてごめんなさい、このグループの展示責任者の首が飛ばないようにお願いしますね...>SONYの役員さま)


02: Audio、何といっても話題は、SONYのチューブ・コンデンサー・マイクロフォンの復活でしょう。ソニーのC38はニュースを読み上げるアナウンサーの前にある定番マイクでありますが、レコーディング・スタジオにおける800G/9Xチューブ・マイクロフォンはノイマン、Audix、RODEやAKGなどと同様に多くのアーティストが好んでボーカルの録音などに使われてきました。マライア・キャリーがBOYS II MENと一緒に録音したスタジオ録音シーンにも出てきますね。「受注生産でお値段はマイク1本、68万2500円なり納期は4か月。他のプロ用Audio機器としては、デジタルワイヤレスの機器、DWR-S01DDWT-B01、ヘッドセットマイクのECM-322BCショットガンタイプのECM-680Sが新製品としてラインアップされておりました。


03: HDV、家電製品の高級機であったと思われたFX-1が衝撃のデビューを飾って早数年HDVの市場もすっかり定着した感があります。、残念ながらQUALIAへの展開は生産中止となってしまいましたが、民生機器への展開はシリーズ展開へと進み、さらにその金型、製品仕様をプロ規格(アイリスの調整や、マイクのバランス入力など)にしたHVRシリーズが大好評であります。HVR-Z1UHVR-V1UHVR-A1U(会場の展示では写真のようなバラバラの部品構成で展示されていました。)記録媒体としてHDVテープをサポートするだけではなくHDV形式で直接ハードディスクに書き込むHDユニットもあります。
従来FOCUS当たりからアフターマーケットで提供されていた製品もSONY純正品としてが提供されています。
カムコーダーだけではなく、据置型のHDVデッキ(HVR-M25U、HVR-M15U)が昨年出荷されたことによりHDVの編集環境だけではなく、PCやMacと繋いだ編集環境もさらに充実してきました。
さらに当初よりプロ用のショルダー型でHDV規格の試作機もNAB2007初お目見え(写真)となりました。


04: Anycast Station:Anycast Station, AWS-G500HD, ハイビジョン映像制作からライブコンテンツ・プロデューサーにも使えるポータブル映像編集システム。発表から数年たちましたが、今だに新鮮な感じ...中身は昨今のSONY製品の傾向であるところのLinuxによるもの...SONY製品を支えるOS基盤としてlinuxの台頭は眼を見張るものがあり、テレビ、BDディスクから業務用家庭用カムコーダー、はたまたプロ用放送機器まで網羅しています。


05: IPELA: IPELA、IPELAとは、IPネットワーク対応+BELLA(イタリア語で美しい)の造語なんだそうです(英語の資料はこちらに)。NAB2007の展示ブースでは「H.264のHDリアルタイム送信」をという文字が...これって、アッサリ書いてありますが、実はとんでもない技術でありまして...通常のH.264コーデックはHD品質の映像圧縮変換をするのに高度なハードウェアを使っても7秒から10秒程度の遅延が発生するので、リアルタイム性を確保するのはとても難しい。NTTとNTTエレクトロニクスのNAB2007の出展のメイン技術がまさしくH.264のリアルタイム・エンコーディング技術であったぐらいでありまして...これを控え目にIPELAのボックス(PCS-HG90)のそばに控え目に表示しているのは、まぁもったいない!!と思った次第であります。さて、IPELAの提供するものはひとことで言えば、「INTEGRATED VISUAL COMMUNICATIONS」の世界...IPネットワークを利用して小規模から大規模なテレビ会議システムからブロードキャスト・サーバー遠隔教育システム映像記録システムセキュリティ・システム、医療映像システムなどへの展開を可能にした総合システムです。従来製品のCisco Call Managerに対応した、PCS-TL30, PCS-TL50, PCS-1 PCS-G50, PCS-G70SなどのPCSシリーズに加えて、Gシリーズ、HDに対応したPCS-HG90が発表され展示されていました。このPCS-HG90はHD-SDIの入力信号にて1080x60i, 1080x50i, 480x60i, 576x50i, XGA(1024x768)の幅広いフォーマットに対応し、4か所のマルチポイントに対して512Kbpsから8Mbpsの帯域でIP伝送するものです。ビデオ・コーデックはH.264で....なんと圧縮フォーマットは1280x720pの30かもしくは60フレーム/Sですって、ふーん720pで伝送しているんだ、10年近く前にこのフォーマットをせん滅しないで良かったですねぇ、と感慨深いものありです。そうそう、この展示ブースに転がっておりましたHD対応の首ふりカメラEVI-HD1小さななりにもかかわらず4495ドルもしますが、優れものです。


06: HDXchange: HDXchange: Networked Content Management System
アップル社のFinal Cut Proと、SonyのVegas編集ソフトウェアにビデオ資源(HDVやHDCAMその他)コンテンツを統合管理するRed Hat LinuxベースのNASサーバーです。8TBのストレージはRAID10レベルで保護され、250時間のSD/HD高精細映像を格納することができます。価格は$54000より...映像を格納するRAIDベースのディスクストレージとして考えれば少し高いように感じますが、これは単なるNASサーバーではなくあらゆる素材(DV, HDV, HDCAMその他)から提供されるあらゆるビデオ/コンテンツ・フォーマット(DV, DVCAM、AVI、MXF、Quicktime、XML/HTML そしてMPEG Long GOP HD file format など)をサポートしています。そして、ファイル・シェアリングのみならずEDL(Edit Decision List)という手法を用いて、市販の汎用映像編集環境やWeb編集環境に総合的な映像アセットマネージメントを提供するものです。本機種は2007年1月にアムステルダムで開催されたISE2007も発表されていますが、ラスベガスでの記者発表はこちらに。NASサーバーと一緒に付いてくるサーバーアプリケーション、BROWSE, LOGGING/INGEST,XDCAM GATEWAY, EXPORT, WEB ADMINISTRATION, NKE Linksがあってこそ、このボックスの価値があるというものです。以下のエントリは明日以降に



07: Sonaps


08: Theater


09: Hot Profucts


10: Boradcast and Professional Display


11: XDCAM:


12: Cameras and Camcorders


13: Digital Cinematography adn Storage


14: Live Production Systems


15: Systems Solutions


16: Live Production Systems


17: IP TV Cafe


18: Professional Services



では、ふるかわでした

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